負けるが勝ち

脊柱が曲がる「脊柱側彎症」　「病気に理解を」患者団体も発足 　通常、前から見るとほぼ真っすぐな脊柱（せきちゅう）がねじれを伴い、横に曲がってしまう「脊柱側彎（そくわん）症」。日本では１００人に１〜３人程度の割合でみられるという。初期は目立った症状がないケースも多いが、成長期などに急激に症状が進行する場合もあり、注意が必要だ。（岸本佳子） 　◆思春期に多く 　側彎症には先天性や他の病気に起因するものもあるが、最も多いのは「特発性側彎症」と呼ばれる原因不明のタイプ。１０歳以降に発症する「思春期側彎症」が大部分を占め、女子に多くみられる。異常が見つかれば側彎の角度や年齢によって、専門医による定期的な経過観察▽専用装具（コルセット）の着用による矯正▽手術−から選ぶ。 　兵庫県宝塚市の会社役員、奥井力也さん（３６）は小学生のころ、学校健診で脊柱の異常を指摘された。精密検査の結果、脊柱側彎症と判明。医師からは「様子を見ましょう」と言われ、１年に１度受診することになった。 　ところが、小学校高学年に急激な成長期を迎え、６年生のころ、１年間で身長が２０センチも伸び、病気も一気に進行した。現在、湾曲は６０度。日常生活はこなしているが体が疲れやすく、首や肩、腰の痛みもあり、長時間歩くことができない。奥井さんは「成長期に適切に対応してもらえていれば」と振り返る。 　◆異常あれば専門医へ 　「思春期側彎症は手術しなくてもよい、という考えもある。実際に症状が出るまでにある程度時間がかかるケースも多いので、保護者も積極的に手術を受けるという決断が難しいこともある」。こう話すのは、脊柱側彎症に詳しい国立病院機構神戸医療センターの宇野耕吉・整形外科部長。思春期側彎症の場合、その後４０、５０代まで元気に過ごす人も少なくないという。 　しかし、脊柱側彎症は患者によって症状や進行具合が異なるため、奥井さんのように思春期に急激に進行することもある。「治療には医師以外がかかわるケースがあるが、異常を感じたり指摘を受けたら専門医を受診してほしい」と宇野部長は呼びかける。 　ただ、病気への認知度は低く、一人で思い悩む患者もいる。そこで昨年、「側弯症患者の会（ほねっと）」が発足。全国から先天性、特発性などの患者や家族らが集まり、現在は１００人を超える。１２日には東京都内で２回目の総会が開かれた。専門医による講演もあり、日進月歩の治療の現状などが紹介された。病気や病院の情報を知りたいという患者の声は強く、同会代表の成松恭子さんは「患者同士が交流し、病気に関する正しい知識を伝える場にしたい。そして多くの人にこの病気のことをもっと知ってほしい」と話した。 　■１０歳未満、障害・高齢者は要注意 　宇野部長は、脊柱側彎症の中でも特に問題となるのは「１０歳未満の小さな子供」「障害のある人」「高齢者」だという。 　障害のある患者の場合、側彎症の手術を受けることによって誤燕（ごえん）や嘔吐（おうと）が治まるなど効果が大きいが、病気に対する理解が低く現状では「手つかずのまま」。宇野部長は「数は多くないが、本当に患者さんは困っています」と、病気に対する理解の深まりを願っている。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/science/medical_issues/

サンドラ・ブロック、マシュー・マコノヒーが出演している映画、
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